は日本で平安時代初期に初めて作り出され、平安時代末期には中国に渡り、そして15~16世紀にはヨーロッパに渡り、ルイ王朝期のフランスを中心に贅を尽くした工芸品として、もてはやされました。

やがて日本が開国すると、精巧な技術と安い賃金を背景に、ヨーロッパの基準に基づいて発注された西欧に向けた扇の注文が大量に入るようになりました。

当時の扇屋は、それらの注文に独自の工夫を重ね輸出しました。

やがて昭和にはいり、恐慌のあおりを受け輸出量が減少し、その滞貨が国内に出回るようになり、我国の女性もこの扇を持つようになっていきました。現在では、この種の貿易扇の輸出は行なわれていません。

では、貿易扇をご紹介いたしましょう。

花に鳥の図

絵は木版刷りで表面には花と鳥、裏面には撫子が描かれています。明治後期にスペイン等に向け輸出され、当地では壁面や暖炉の上に飾られていました。

扇面紙の天地の長さが左右で変わっている点がポイントになっています。

和紙、竹 両面紙 天地金

親骨に墨で中島製造扇、大日本京都の文字が入っている。 片カン付

長さ 45.5cm 幅 86.3cm 30本骨


花に鳥の図
絵は木版刷りで表面には花と鳥、裏面には撫子が描かれています。
明治後期にスペイン等に向け輸出され、当地では壁面や暖炉の上に飾られていました。
扇面紙の天地の長さが左右で変わっている点がポイントになっています。
和紙、竹 両面紙 天地金 親骨に墨で中島製造扇、大日本京都の文字が入っている。 片カン付
長さ 45.5cm 幅 86.3cm 30本骨


貨幣に花鳥蝶の図
絵は木版刷りで大判、小判は金の箔押しがしてあります。表は大判、銭、撫子、鳥、ゆり、が描かれ、裏は撫子、はす、蝶の絵。
明治後期にスペイン等に向け輸出され、当地では壁面や暖炉の上に飾られていました。
和紙、竹、両面紙 天地金 骨は溜塗凹凸あり金粒子入り 親骨 蒔絵(楠正成 扇うちわ笛) 片カン付
長さ39.5cm 幅73.5cm 30本骨


風景図
明治初期から中期頃にアメリカに婦人の持用として輸出されたもの。
和紙、竹 片面ばり 中骨にも絵が描かれている  親骨に蒔絵入り 環つき
長さ 22.2cm 幅 40cm  28本骨


人物風景図
明治から大正初期の頃にかけて、主にアメリカに婦人の持用として輸出されていた扇。
地込骨に極彩色の仕上げが特に悦ばれていました。右側の扇面紙の一部が切り取られているのは見本で関税がかからない為。
和紙、竹 片面ばり 親骨、中骨にも絵が描かれている。 環つき。
長さ 23cm 幅 42.8cm  30本骨
海外に輸出された扇たち その1


人物風景図
明治から大正初期の頃にかけて、主にアメリカに婦人の持用として輸出されていた扇。
地込骨に極彩色の仕上げが特に悦ばれていました。右側の扇面紙の一部が切り取られているのは見本で関税がかからない為。
和紙、竹 片面ばり 親骨、中骨にも絵が描かれている。 環つき。
長さ 22.8cm 幅 41.8cm  30本骨


人物風景図
明治から大正初期の頃にかけて、主にアメリカに婦人の持用として輸出されていた扇。
地込骨に極彩色の仕上げが特に悦ばれていました。右側の扇面紙の一部が切り取られているのは見本で関税がかからない為。
和紙、竹 片面ばり 親骨、中骨にも絵が描かれている。 環つき。
裏面 紙に銀砂子振 骨に金ペイント   長さ 23cm 幅 42.1cm  27本骨


花の図
大正初期スペイン向きに婦人の持用として輸出されるスカシ扇。
絹の上に切り抜いた紙を貼り、その紙の上と仲骨とに花が描かれている。
絹、和紙、竹 片面ばり 仲骨細工ペイント 潰要
長さ 23cm 幅 41.3cm  30本骨


花の図
大正初期頃主にアメリカに婦人の持用として大量に輸出される。特に骨美しい柄を入れることが好まれた。
和紙、竹 両面ばり 仲骨細工ペイント  親骨 ペイント 潰要
長さ 25.8cm 幅 47cm  25本骨


宮廷の風景図
大正7,8年スペイン及びイタリヤ方面に婦人の持用として輸出される。房はラクダの毛を使用す。
和紙、竹 両面紙 仲骨ペイント 螺鈿細工 親骨 象牙又は水牛の骨 環つき
長さ 24cm 幅 36cm 紙の幅 長さが変わる  30本骨


花の図
大正十年頃三段袋張扇として主にアメリカ、中南米に婦人の持用として輸出される。
特に骨に美しい柄を入れることが好まれた。
和紙、竹 両面ばり 親骨、中骨にも絵が描かれている。片環つき
長さ24.6cm 幅42.2cm 35本骨


人物の風景図
大正十三、四年スペイン及びイタリヤ方面に婦人の持用として輸出される。房はラクダの毛を使用す。
和紙、竹 両面紙 親骨、中骨にも絵が描かれている。 環つき
長さ 24cm 幅 36cm 扇面紙の上の縁が曲線になっている。  30本骨


白の花の図
大正末期から昭和初期丸扇としてスペイン及びイタリヤ方面に婦人の持用として輸出される。
特に絵が紙と骨とに描かれた柄が悦ばれた。
絹、竹 片面ばり 中骨細工ペイント  親骨 鳥の彫付き 環つき
長さ 21cm 幅 25.8cm 33本骨


海外に輸出された扇たち その2では、さらに沢山の輸出扇を展示しています。どうぞご覧になってください。